[手術数] 平成20年の心臓・胸部大動脈手術の総数は101例でした。開設から平成20年12月までに行った心臓・胸部大動脈手術の手術成績を公開します(表1、表2、表3、表4)。 [当科の特色 = 低侵襲手術] (i)心房細動に対する“切らない”外科手術=完全内視鏡下手術 心房細動に対する最新の手術治療(=完全内視鏡下手術)を本邦初となる患者さんに行い成功しました。この手術は、人工心肺を使用せず、側胸部の小さな刺しキズから内視鏡を見ながら行います(図1、図2)。心房細動の原因となる左右の肺静脈を電気的に絶縁する処置をすることによりきれいな整脈に戻し、(脳梗塞の原因となる)血栓の好発部位である左心耳を切除するという内容です(図3)。手術時間は1時間半程度と短く、胸骨を縦切開し人工心肺を用いる従来の術式に比べ格段に低侵襲(体に与える影響が少ない)であると同時に、カテーテル治療と比べ、正常な脈に復帰する確率が格段に高い(80%以上)上、カテーテルでは不可能な左心耳を切り取るという脳梗塞に対する予防処置が行えるという利点があります。心房細動は致死的な脳梗塞や心不全の原因となる怖い病気ですが、この“切らない”手術が多くの患者さんの命を救うことになれば幸いです(2009年4月4日(土)午後1時より、日野市民会館小ホールにてこの手術治療の市民セミナーを行いますのでぜひお越しください。) (ii)低侵襲冠状動脈バイパス術 虚血性心疾患に対する冠状動脈バイパス術は、全症例に人工心肺を使用しない方法(Off-Pump CABG:オプキャブ)で行っており、左右の内胸動脈および胃大網動脈グラフトのみ使用する(腕や足に創がつかない)完全血行再建手術を標準術式としております(図4a、図4b)。適応は限られますが、内視鏡手術手技図5)を駆使し、左前胸部の小さな創から行う低侵襲手術(MIDCAB:ミッドキャブ、図6a、図6b)を多枝バイパス症例にも適応しております。