歯科口腔外科

概要

特色・専門領域

 当院歯科口腔外科は、口腔内を中心に顎顔面の外科的疾患について診療しています。詳しい診療内容については後述しますが、むし歯、入れ歯、歯槽膿漏の治療は行っていません。口の中やその周囲に症状があれば、まずは近所にある歯科医院などの先生「かかりつけ医」にご相談いただき、できれば紹介状をもらってください。当科は多摩全域の歯科医師会と連携を結んでおり、「かかりつけ医からのご依頼による診療」を基本としているので、紹介状をもらった上で予約していただくとスムーズに受診することができます。ただし、急患に関してはその限りではありませんので、まずは外来の方へお問い合わせください。また当科での治療終了後に引き続き治療が必要な場合には、かかりつけ医へ戻っていただく事もあります。
 なお、当科では初診当日および土曜日には抜歯などの処置は行っておりません。

診療内容

1)腫瘍性病変
 顎や口の中にできる腫瘍性病変の代表的なものに歯原性腫瘍(歯をつくる組織からなる腫瘍)、唾液腺腫瘍(唾液腺をつくる組織からなる腫瘍)、その他の腫瘍などがあります。これらの腫瘍の中には良性のものと悪性のものがあります。
 歯原性腫瘍は歯科医院でのパノラマエックス線写真で偶然発見されることが多く通常は無症状です。数ヶ月〜数年経過すると大きくなり腫れや顔の変形を認めることがあり、腫瘍が見つかった場合、手術による処置が必要となります。
 唾液腺腫瘍は硬口蓋、口唇の腫れ、しこりで自覚されることが多いです。発育はゆっくりで痛みはありません。約60-70%が多形性腺腫という良性腫瘍ですがこの腫瘍も再発することがあり慎重な対応が必要です。さらに小唾液腺腫瘍は悪性唾液腺腫瘍の頻度が割合高く30%ほどといわれています。この場合、表面に突出していれば痛みを伴うことがあります。唾液腺腫瘍に対しても手術が行われますが悪性の場合、手術後に放射線治療を追加で行う必要が出てくることがあります。
口腔癌(悪性腫瘍)の特徴と治療法について
歯科口腔外科で扱うがんとは ・・・
 口腔癌は口唇、頬粘膜、上下歯槽(歯肉)、硬口蓋、舌前方2/3、口腔底、顎骨にできたがんのことをいいます。がんの種類(組織型)では口腔を含めた頭頚部に発生するがんのほとんどが扁平上皮がんです。年間の罹患率はすべてのがん患者の1−2%と決して多くはありません。推定では全国で 3000-5000人規模程度、毎年罹患していると考えられています。
 口腔がんの好発部位(当科の調査では)は舌で約半数の 48%、次いで歯肉が27%でした。おおよそ舌癌と歯肉がんで全体の65-80%ほどを占めると考えられます。舌癌はそのほとんどが舌縁から舌腹(裏側、下側)にかけてみられます。尖った虫歯、入れ歯などが常に当たっているとがんを誘発する慢性刺激となります。
 発症には喫煙とアルコールが大きく関与し、発症のリスクは双方とも全くやらない方よりも数倍から 20倍ほどともいわれています。歯科的要因では虫歯で欠けた歯、未治療の歯槽膿漏など口腔細菌が関与する慢性炎症が挙げられます。また日常的な食いしばりもよくありません。特に飲酒に関連して重複癌あるいは多重がんといって複数のがんに罹患してしまう方が増加しています。口腔がんになった方はその他の頭頚部に発症する場合あるいは他臓器のがんに罹患する、したことがある割合は15%以上にもなります。
症状・・・
 表面がただれている、ぶつぶつしている、凸凹している、歯がぐらつく、歯茎からの出血などが多く、がんの進行とともにひっかかる、痛み、しこり、嚥下障害、開口障害などを伴います。よくいわれる口内炎(アフタ)との違いは口内炎では中心部が白っぽく周囲は赤くみえ、円形です。大きくなったとしても1cmを超えることはまれで刺激痛が強いのが特徴です。それに対してがんは初期(5mm以下)ではそれほど痛みは強くないため痛みを感じるようになった場合には既に1cmを超えていることが多いです。しかし分化度が低い(悪性度が強い)場合は小さくても痛みが強く、形態も口内炎とは異なりぶつぶつしたり、周囲(境界)が隆起しているのが特徴です。さらにほとんどはしこりとして感じます。歯肉がんの初期では歯肉が腫れ、少し盛り上がり、出血するだけですが、進行してくると歯が浮いてきて自然脱落します。歯槽膿漏と思っても持続する痛みを感じたらがんを疑います。
検査の流れ・・・
 治療するにあたり詳細な検査が必要なことは言うまでもありません。当科ではまず、悪性の可能性が高いことをお話しして当科で治療を受けられるかどうかの意思確認をしっかりと行っております。がんの治療はその後の経過観察や二次的な治療を含めて長期の通院が必要になります。地理的条件などで通院が困難である場合にはご相談して他の医療機関をお勧めすることもあります。検査は局所(口の中)の評価と全身的評価をおこないます。各種画像診断を行い、重複がんについては腫瘍マーカーによる評価、腫瘍シンチグラムと腹部は内科に依頼して診査を行っております。これらの検査には入院して2週間ほどかかります。
治療法・・・
 がんの治療には手術療法・抗がん剤 (化学療法)・放射線治療の三本柱があります。口腔癌はこのうち手術療法が最も適しており通常は他の治療法は補助療法として用いられますが手術が不可能な場合は放射線治療、化学放射線治療を行います。一人一人に最適な治療法を考えております。当科では手術が治療の中心であり、手術単独での完治を目指しております。遠隔転移が懸念される症例に対して手術後に抗ガン剤を用いる場合があります。歯肉がんではがんが顎骨に浸潤すると強い痛みが生じ、痛みを抑えるためにまれに術前放射線治療を行います。また、頸部リンパ節転移も同様に手術する必要があります。舌がんは高頻度に頸部転移をきたすのでがんの切除と同時に頸部郭清術を行う必要があります。転移リンパ節の状態によっては放射線治療を手術後に行う場合があります。
 口腔は機能が非常に重要で呼吸する、食べる、話すことに深く関わっておりこれらの障害をいかに少なくするかが重要です。当然そのことを考慮に入れて治療計画を立案します。たとえば舌の初期がんに対しては切らずに専門施設に依頼して小線源治療(埋め込み放射線治療法)を行うこともあります。治療は入院中だけではありません。その後最低でも5年間は通院していただき術後の経過観察をしながらお体の具合を伺います。
他科との協力体制・・・
 がんは全身疾患として考えるので当科だけでは治療はできません。既往症のある方は担当各科に併診し問題がクリアーされて初めて安全な手術ができます。重複癌検索のため消化器内科へ検査を依頼しています。また耳鼻咽喉科とは常に協力体制ができており、当科初診の方でも転科する場合もあります。また、共同で手術を行うこともあります(逆のケースもあります)。ほとんどの症例で治療前に放射線科とカンファレンスを行い、治療計画の立案に参加していただいております。形成外科は切除後の再建治療を担当しています。当科ではがんに対してこのような集学的治療を病院歯科口腔外科の特徴を生かして安全に行うよう常に心がけております。
 治療成績:平成19年新規口腔癌患者数は33名、手術例数は23件でした。
 最近5年間の治癒率は79.5%です(根治治療対象外を除く)。
2)歯性感染症・炎症
口の中に住んでいる多くの細菌が原因でムシ歯や歯周病になることはよく知られています。これらの他に、細菌が歯や歯肉から進入して、顎炎、骨髄炎、蜂窩織炎、上顎洞炎などの炎症を起こすことがあり、発熱、腫れ、痛みなどの症状がでることがあります。また、口が開きにくい、飲み込みにくいなどの症状がある場合は、重症化していることが多く、早期の治療が必要となります。 治療は、抗菌剤の投与や消炎処置(切って膿を出す)が必要になります。重篤な場合には、入院が必要になります。また最近では、糖尿病や心臓病、妊婦における胎児への影響についても報告されています。他にも口内炎、唾液腺炎、顎関節炎などの炎症の治療も行っております。
3)顎顔面の外傷
 顎や顔の骨の骨折は交通事故やスポーツ外傷、転倒によるものがおもな原因となります。症状としては、骨折部の痛みや腫れ、出血による粘膜の変色、口が開かない、咬み合わせの違和感、などがあります。また、歯牙損傷(歯の打撲、脱臼、脱落、破折)や、軟組織損傷(皮膚の擦り傷、唇の裂傷、舌や頬粘膜の挫傷)などがあります。
 歯が脱臼している場合、歯を元の位置に戻してワイヤーや接着剤を用いて固定します。脱落した歯でも再植して元通りにできる場合もあり、抜けてしまった歯は乾燥させないように、専用の保存液や牛乳の中に入れてすみやかに来院して下さい。
 軟組織損傷については、止血縫合処置が必要となりますが、傷の中にガラスや金属などの異物が入っていることもあるので、縫合前によく精査してから処置を行います。
 骨折を認めた場合は、骨折部を正しい位置に戻して固定を行います。固定は顎間固定(上下の歯を針金で縛る)を2〜3週間行います。骨折部位が複数の場合や、骨折による骨のズレが大きい場合は手術を行い、プレート固定が必要となります。
4)粘膜疾患
 粘膜疾患は口の中の粘膜(舌、歯肉、口蓋、頬など)が、白色や赤色に変色したり、水泡(水ぶくれ)ができたり、表面の凸凹、不整な形、ヒリヒリした痛みがあるなど様々な兆候を示します。これらのなかには、良性、悪性、または悪性に変化する病気もあります。治療は、投薬、歯牙や義歯など当たっているところを削るなどをして経過を診るものから、変化した組織を採取して検査、結果によっては、切除することもあります。現在、かかりつけ歯科は、歯だけではなく、口の中全体をチェックしますので定期的に通院しましょう。また、変化があれば、すぐにご相談下さい。
5)嚢胞
 レントゲン写真で顎骨の中に嚢胞(袋状の病気)が見つかることがあります。腫れや痛みが出現することもありますが、症状が無くレントゲンの撮影で見つかることもあります。嚢胞の治療法は、摘出(病変を取ってしまうこと)や開窓(病変に穴を開けて圧力を逃す)などがあります。また、年齢や病状、基礎疾患の有無などによって治療方針は異なります。病変が大きい場合には、顎骨骨折をきたすことがあり、自家骨移植(当科では腸骨(男性で言うとベルト下あたりの出っ張りの部分)より骨髄移植)が必要になることもあります。歯が原因の場合は、かかりつけ歯科での歯の治療が必要になります。顎の骨の中だけでなく口唇、舌、舌の下、歯肉などにも嚢胞ができることがあります。
6)顎変形症
 顎変形症は、上顎が引っこんだり、下顎が出ていたり、歯の咬み合わせがずれてしまっていたり、顔が非対称でゆがんでいたりする状態です。咬み合わせの問題は、咀嚼や発音への支障を伴っていることが多く、歯科矯正治療だけでは十分な改善が得られないこともあります。こうした患者さんについては歯科矯正治療と手術(顎外科手術)の併用により、“かみ合わせ”の改善と“顔のゆがみ”を改善することができます。機能的な問題を解決するだけでなく、表情や審美的な問題についても改善されることを目的としています。お悩みの方は、当科に一度ご相談いただくか、歯科矯正医院でご相談下さい。
6-2 ) 先天奇形
 口腔、顎、顔面に症状をもつ先天奇形は、数多くあります。中でも口唇裂(口唇が割れている疾患)口蓋裂(上顎が割れている疾患)は、口腔、顎、顔面に症状を認める頻度の高い先天奇形の一つです。日本人では約 500人に1人と言われています。出生直後より美的、哺乳などの障害、成長すると食物摂取が困難になり、言語障害や、上顎骨劣成長、歯列不正、重度の齲蝕などいくつもの障害が認められます。治療は、出生直後から顎の発育が終了する成人まで必要となります。また、食事や会話などを行う機能や美的なことはもちろん、顎や顔面の発育を考えた治療が必要です。大学病院との連携のもとに対応を行っております。
6-3) 歯牙移植
 虫歯などで残すことができない奥歯を抜歯し、親知らずをそこへ移植します。移植に使う親知らずには、「感染していないこと」「健康で生えていること」など条件があります。親知らずを移植する処置は保険適応となります。また、移植した歯は数週間の固定が必要となります。歯が固定された後は、かかりつけ歯科で歯の神経治療が必要です。
6-4 ) 特殊歯科治療
 歯科の治療において治療内容や使用機器・使用材料などにより、自費診療となるものがいくつかあります。東京都立多摩総合医療センターでは、原則として自費の診療は行っておりません。インプラントや特別な義歯、陶材による前装冠といった自費の補綴治療をはじめ、矯正治療、ホワイトニングなどの治療はかかりつけ歯科または、連携先の地域歯科診療所での治療をおすすめしています。紹介医の治療計画に基づき、相談に応じています。
6-5) 歯科 インプラント周囲炎
 インプラント周囲炎は歯周病と同じ細菌による感染やインプラントへの過度の咬合による加重負担などによってインプラント周囲の組織が炎症を起こしたものをいいます。初期の段階では自覚症状がないことが多く、歯茎の腫れや出血、膿が出るなどの症状があげられます。症状が進んでくるとインプラントを支えている骨が吸収してしまい、インプラントがグラグラしてきます。さらに症状が進むとインプラント周囲の骨にも炎症が広がり骨髄炎などの症状を起こす引き金にもなってきます。
 治療としては、歯周炎と同じ流れで治療を行っていきます。初期症状の場合は丁寧な歯磨きや歯科医院での専門的な清掃で改善します。症状が進みインプラント周囲のポケットが深くなると外科的治療や抗生剤の内服などが必要になります。さらにインプラントがグラグラしたり、インプラント周囲の骨に炎症が広がるとインプラントの除去が必要になってきます。尚、当科では歯科インプラント治療は行っておりません。
7)重度心身障害者の歯科治療
 障害を持った方の中には(重度心身障害者の中には)治療に協力が得られない方がおり、歯科医院での治療が難しく、危険な場合があります。当科ではこのような方を対象に専門外来を設けて歯科麻酔専門医による全身麻酔による、安全でストレスの少ない歯科治療(専門医)を行っております。
 安全な全身麻酔下での治療を行うために、各種検査、歯科麻酔専門医の診察、歯科治療担当医の診察、当該診療科への受診(対診)などを行ないます。このため治療までに初診を含め3〜4回の通院が必要です。
 全身状態や治療内容によって短期入院、または日帰りでの治療を行っております。
 また、口の中に器具を入れると気持ち悪くなってしまう方、治療の痛みに対して不安や恐怖などがあり、歯科治療が苦手な方などを対象に静脈麻酔(眠くなる薬を点滴で入れる)や全身麻酔をかけて歯科治療を行います。治療内容、全身状態、予約状況から治療開始までに時間がかかる場合があります。ご相談、ご予約は口腔外科外来に直接電話をかけて下さい。
8)抜歯
①親知らずの抜歯(横に生えていたり、骨の中に埋まったり、神経に近接しているなどで抜歯が困難なものなど)
②全身疾患を有する患者様の抜歯(血液をさらさらにする等のお薬をのまれている方、高血圧、糖尿病、心疾患、血液疾患などのご病気をお持ちの方)
③矯正治療前の抜歯(自費扱いとなる場合があります。
④余分な歯(過剰歯)の抜歯
⑤リスクの高い方に対して全身麻酔下での抜歯
 通常は外来で抜歯を行いますが、抜歯(特に親知らず抜歯)の後には後出血、強い痛み、腫れ、口が開かない、食事が摂れないなどの不快症状を伴うことがあるため、これらの不安を取り除くため短期入院管理下での抜歯などをその人に合った処置をおこなっています。
9)顎関節疾患
 顎関節疾患には顎関節炎や顎関節脱臼、顎関節症などがあります。顎関節炎は顎の関節の骨と骨との間に炎症を起こす病状です。顎関節脱臼は顎の関節が外れてしまい、口が閉じなくなる状態をいいます。顎関節症は顎の関節を作る骨の変形や関節円板(軟骨)の位置異常により開口障害(口が開かない)や、関節周囲の筋肉の痛みが出るなどの病状です。原因としては生活習慣の積み重ねや日頃からの癖によって生じることが多いようです。口が開かなくなったり、閉じなくなったりしたとき、また痛みが出たときは治療が必要となります。低周波治療器(マイオモニター)、スプリント療法(マウスピース)、投薬などを行います。
 当科では顎関節専門外来を設けておりますので担当医と相談のうえ、顎関節外来への受診も可能です。
10)唾石症
 唾石症は唾液を作る腺体内や唾液を排出する管に結石(腎結石や尿路結石のように)ができる疾患です。この結石が唾液腺管(唾液を排泄する管)をふさいでいるため食事時や酸味を感じた時など唾液が多くなり、強い痛みを伴って腫れることがあります。しばらくすると腫れはおさまりますが、食事のたびに腫れや痛みなどを繰り返すことがあります。
 唾液の流量が減り、唾液腺管に細菌感染が起こると管の出口が赤く腫脹(腫れること)、排膿(膿がでる)することがあります。この症状を放置しておくと唾液を作る部分(唾液腺)に炎症を引き起こすことになります。
 まず、レントゲンや CT で唾石の位置や大きさを確認します。唾石の位置が唾液腺管の出口に近い位置にある場合は外来にて局所麻酔下で、下の奥歯に近いところにある場合は手術室にて全身麻酔下で摘出となります。しかし、唾石を摘出しても数年後に再発することもあります。さらに唾液腺内や腺体に近い場合には、唾石を唾液腺ごと取り出す必要があり、全身麻酔での手術を行うことになります。
11)口腔ケア
 最近、歯周病は口の中の問題だけではなく、さまざまな全身性の病気とも深くかかわっていることが明らかになってきました。歯周病原菌がつくる毒素や炎症を引き起こす物質は、歯周病の病巣から血液中に入り、全身に影響を及ぼす可能性があります。歯周病原菌と糖尿病や肺炎、低体重児出産、心筋梗塞などとの関連も報告されています。健康な時も、また、病気になった時も歯と口の健康と清潔を保つことは、大変重要なことです。口腔内には、たくさんの細菌が存在しています。舌苔(舌の上に付着する苔)、食べかすの停滞、歯周病、清掃不良の義歯、口腔乾燥、口腔カンジダ症など状態は様々です。さらに口腔内の細菌や嚥下機能の低下により誤嚥性肺炎など重篤な症状になってしまうことがあります。口や顎の手術を受ける時や、人工呼吸器管理中の方は口の中が汚れていると、手術後の感染や肺炎のリスクが高くなります。そこでブラッシング指導、歯石除去やクリーニングなどを行い、口腔の疾患予防や感染予防、機能回復、健康の保持増進、QOL(生活の質)の向上を目的として、歯科衛生士による専門的口腔ケアを行っております。また、造血幹細胞移植を受ける方は感染予防が非常に重要で、セルフケアの指導、歯科衛生士によるプラークコントロール、歯石除去等のプロフェッショナルケアを実施しています。
12)舌痛症
 舌の痛みにはドライマウスやカンジダ菌の感染、機会的刺激など様々な原因があげられます。舌痛症もその一つです。舌がんを心配しすぎる人に多く、よく鏡で自分の舌を見たりします。症状としては食事時や触っても痛みを感じませんが、仕事中や家に一人で居るときに舌がピリピリ痛みます。中年の女性に多く、心のケアが必要です。これらの診断には専門知識が必要です。ぜひ専門医にご相談ください。
13)三叉神経痛
 三叉神経は脳から出る12本の神経のうちの一つで、顔や口の中の知覚を主につかさどる神経です。虫歯や歯周炎の痛みや、ひげそり後のひりひり感などを脳に伝えるのが本来の仕事です。しかし、この神経自体が勝手に興奮して痛みとして伝わってしまうのが神経痛です。三叉神経痛の特徴的な症状は、片側性に電気が走ったような鋭い強い痛みです。持続時間は数秒〜30秒くらいです。 「トリガーポイント」といって、その場所を触ったり刺激したりするとその痛みが誘発される部位があるのも特徴です。そのため顔を洗う時、歯を磨く時、物を咬む時などにも痛みが誘発されます。このトリガーポイントが歯にある場合、その歯を刺激すると痛みが出たり、麻酔の注射をすると誘発刺激も抑えられてしまうため、虫歯や歯周炎と間違われてしまうことがあります。また、この神経痛は夜寝ている時には起こりません。原因は腫瘍(しゅよう)などが神経を圧迫している場合もありますが、多くは神経と一緒に走っている小さな血管による神経の圧迫と考えられています。治療には外科療法、神経ブロック療法、薬物療法などがあります。薬物療法では、神経の興奮を抑える抗けいれん薬が使用されます。通常の痛みではないため,頭痛や歯が痛い時に飲むような鎮痛薬はまったく効きません。何か普通の虫歯の痛みかたと違う痛みのある方、専門医にご相談ください。
14)口腔顔面痛
 痛みというのは本来、体にとって異常を知らせる重要な信号です。この信号から病気の場所や原因を突き止めたり、病気の進行具合を測ったりします。ところが、この信号が役割を超えた強い痛みとなり、ただ苦痛を増しているものもあります。慢性疼痛(とうつう)といわれるもので、神経痛や腰痛、頭や肩や首の痛み、交通事故後の痛み、さらにがんの痛みなども含まれます。実は口の中や歯に対する痛みの中にもこの領域に入る痛みがあるのです。これらを専門に研究しているのが「口腔(こうくう)顔面痛」という学問です。歯が痛くなるとまずは、虫歯や歯周病を疑います。しかし、痛いところの歯を抜くとますます痛くなった。こんな話を聞いたことがありませんか?歯が痛くてもその痛みの原因が歯にあるとは限らないのです。通常、知覚神経は痛みを伝える役割をしますが、神経自体が痛みの原因になってしまっている場合もあるのです。これが「神経因性疼痛」。またストレスなどが原因と考えられる「心因性疼痛」。こめかみやあごの周囲にあって食べ物をかむ際に働く咀嚼(そしゃく)筋などの周辺組織に問題がある「関連痛」は、痛みの信号が神経の交わる部分で誤って伝わり、歯の痛みとして表れたものです。顔や口の中はこういった神経や筋肉が複雑に存在しており、いろいろな要因が絡んでいることが多いのです。もし顔や口の中に気になる痛みがあれば専門医にご相談ください。

診療実績

疾患名 平成19年 平成20年 平成21年
初診(人) 3,189 3,329 2,607
救急・ER(人) 500 404 267
新入院(人) 258 290 172
手術件数(件) 131 163 94
重度心身障害者治療(全麻下)(人) 16 16 14
口腔ケア延べ人数(人) 1,409 1,373 1,231

スタッフ紹介

医師名 専門分野等
医長 しげまつ しろう
重松 司朗
日本口腔外科学会専門医・指導医
口腔外科一般、外傷、炎症、口腔癌、口腔粘膜疾患
医員 こばやし だいすけ
小林 大輔
日本口腔外科学会専門医、日本顎関節学会顎関節症専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医(歯科口腔外科)
口腔外科一般、口腔癌、顎関節疾患、口腔顔面痛
医員 ひょうどう ともこ
兵藤 朋子
口腔外科一般
非常勤医員 みぎた まさし
右田 雅士
口腔外科一般、口腔腫瘍
非常勤医員 よしの まさひろ
吉野 正裕
口腔外科一般、顎補綴
非常勤医員 ただ かずひろ
多田 和弘
口腔外科一般、口腔内科
非常勤医員 こばやし ふみあき
小林 史明
口腔外科一般
非常勤医員 やまむら ひろこ
山村 紘子
日本歯科麻酔学会認定医
歯科麻酔、りらっくす外来
非常勤医員 きしの よしのぶ
木住野 義信
日本口腔外科学会専門医
口腔外科一般、顎関節疾患
非常勤医員 さくらい さとる
櫻井 学
日本歯科麻酔学会専門医
歯科麻酔、りらっくす外来
非常勤医員 にしぼり ようへい
西堀 陽平
 
非常勤医員 かみやま いさお
神山 勲
 
各診療科のご案内

歯科口腔外科

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