救急医療

2次救急はできるだけ受け入れます

 多摩地域で産婦人科の救急、特に2次救急以上を受けられる病院は限られていますので、要請があればできるだけ受け入れるようにしています。産婦人科救急は、「受け入れる=救急手術になる」可能性が高いので、手術室や麻酔科の協力体制がなければできません。当院は救急医療に力を注いでいますので、救急手術への対応も常時可能です。

 救急医療は、限られた時間と所見で診断をつけて治療方針を立てなければならない非常に難しい医療です。状況によっては、本当に急がなければ命にかかわる他の救急患者さんのために、それよりは軽症の患者さんをお待たせすることもありますが、人手も施設も限られた範囲内でやっていることですので、ご理解ください。

 1次救急は、できれば地元で受けていただき、2次救急以上であれば医療機関から連絡していただき、こちらで態勢を整えて受け入れるようにできれば、もっとも良い救急医療が受けられると思います。通常の病診連携が、「顔が見える」連携であれば、ここでも救急ネットワークとして機能すると思います。このようなネットワークが、いざという時には力を発揮します。以上のような医療体制につきご理解とご協力をお願いします。

まず、お近くの医療施設へお電話を

 かかりつけ医が「お産」をあつかっている場合には、お産はいつでもあることなので、直接医師でなくても、経験豊富な看護師さんや助産師さんなどに、休日や夜間でも電話で相談にのってもらえるかもしれません。ですので、まず「かかりつけ医」にお電話して相談してみてください。ご相談の結果不安が解消されることもあるでしょうし、もし診察していただけるようであればお願いします。かかりつけ医がいない場合あるいはお産を扱っていない場合には、お近くにあるのであれば、まずお電話をしたうえでご指示に従ってください。

 その上で、地域の医師会が持ち回りでやっている「休日夜間診療所」がお近くにあるのであれば、受診してください。また、地域によっては、持ち回りで救急当番医を決めていて、病院や診療所が当番で決まっていることがあります。救急医療は地域で行っていることですから、その地域によって違います。病院で救急対応しているのであれば、始めから2次救急にも対応してもらえます。診療所は、通常は医師1人だけですので、もっと大きな施設で対応する必要があると判断すれば、紹介してもらえます。始めから遠い医療機関を受診するよりは、近くの医療機関を受診してから、必要であれば遠くの医療機関を受診するほうが、患者さんの負担も少なく、効率的に受診することができます。こういう「かかり方」を利用されることをお勧めします。
医療機関と上手にお付き合いください。

手術が必要な救急疾患

救急手術が必要な婦人科の病気はたくさんありますが、代表的なものを説明します。

子宮外妊娠
子宮外妊娠は、月経が止まってから次の月経が来る予定の日から約2週間後、つまり妊娠6週ぐらいに急激な腹痛が起こるのが最も典型的です。卵管に妊娠することが多く、卵管が破裂すると激痛とともに腹腔内に出血がおこり、短時間で大量出血がおこると死ぬこともあります。ですので、妊娠している可能性があって、下腹部の激痛があったらすぐ救急車を呼んでください。性器出血があることも多いですが、普通は少量です。一刻を争う場合がありますので、疑いを持った時には、手術のできる医療機関に連絡するか、救急車の手配をしてください。それほど急がない卵管流産や、卵管以外の場所に妊娠している時にはこれほど典型的にならないこともあります。余裕があったら、お近くの産婦人科を受診してください。
卵巣出血
月経が来てから2週間以後、つまり通常は排卵後の黄体期に起きることが多いと言われています。卵巣への刺激があると黄体などが破裂してそこから出血が起こり、腹腔内に出血が起こります。少量から手術が必要な大量出血まで様々ですが、下腹痛が主な症状です。子宮外妊娠の症状に似ていますが、違うのは妊娠していないので、月経が遅れていないことです。激痛であれば、救急車を要請してください。 救急手術になることも多いです。
卵巣腫瘍茎捻転
卵巣の腫瘍がある程度大きくなると(普通は野球のボールくらいと言われていますが)、卵管の部分を軸にしてねじれてしまうことがあります。これも大変急激に下腹痛がおこり、救急車を呼ぶほどの痛みです。救急手術が必要になります。ねじれてから時間があまり経っていない時には、腫瘍部分だけを取り除いて(核出術)実質部分を残せる可能性があるので、できるだけ早く手術したほうがいいですし、手術をしないと痛みがおさまらないので、手術ができる病院に行くことが必要です。
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