脳神経外科

概要

当脳神経外科の診療体制と患者様紹介

 東京都立多摩総合医療センターに新規移転した当科は東京都立府中病院の時代から30余年の歴史があり、年間手術件数は500-600件です。これは、東京都西部地域で最多であり、全国的にも有数の規模を誇っています。脳神経外科で扱う疾患は、脳卒中をはじめ、救急対応を必要とする場合が多く、365日、24時間の救急体制をとっています。脳神経外科一般病棟、救命センター、SCU(脳卒中専用病床)を含め約60床程度の受け入れが可能です。また慢性期には、すぐに自宅退院できない方の場合には、病態、家庭の状況に応じて回復期リハビリ病院や療養型の病院への転院もしくは、院内のリハビリテーション科に転科し、専門のリハビリテーションをうけることができます。

 一般外来は、月曜から金曜の毎日午前中に、基本的に予約制で行っています。ご予約の患者様は直接当院予約センターに電話してください。また、地域の各病院、医院と重点的な、医療連携体制をとっており、急を要する場合や、あるいは、脳動脈瘤、頸部頸動脈狭窄、脳腫瘍などすでに具体的な診断がついていて当科で治療の相談を早めにご希望の患者様の場合も、主治医の先生から直接病院電話交換(TEL 042-323-5111 )までお電話いただければ、担当脳外科医が個別に対応いたします。

当脳神経外科で扱う疾患

1:脳血管障害、脳卒中
 東京都の脳血管障害重点病院に指定されており、この分野の治療では全国に名前が知られています。脳血管障害には、出血性疾患 ( 脳動脈瘤、クモ膜下出血、脳内出血、脳動静脈奇形 など)と、血管が狭窄したり閉塞したりする脳虚血性疾患(脳梗塞、頸部頚動脈狭窄、一過性脳虚血発作 (TIA), など)の2種類が含まれます。これらの両方を扱っているのが当科の特徴です。

- くも膜下出血と脳動脈瘤 -
 未破裂脳動脈瘤、破裂脳動脈瘤 (クモ膜下出血) を含む脳動脈瘤のクリッピング術 は、年間120件を超え関東圏で1〜2位の件数です。週刊朝日が編集した” 手術数でわかる、いい病院 に9年連続 (2004年-2012年度版)ほか各種雑誌で紹介されました。
 当科では、未破裂脳動脈瘤の手術が増加傾向にあり、動脈瘤手術の約半数を占めています。無症候性未破裂脳動脈瘤の手術成績は、2005年,2006年,2007年,2008年,2009,2010年の平均在院日数13.0 日,12.6日, 14.0日,13.3日,12.0日,11.9日であり、国立大学を中心とした全国主要病院の平均26.4日より、大幅に短くなっています。また、生活自立の状態で帰宅される率が最近6年間で99%を超える良好な成績をあげています。

- 脳梗塞を含む脳虚血疾患 -
 脳血管が詰まることで発症する脳梗塞は、その予防方法など世間の関心が高く、最近注目度が高い疾患です。 急性期の脳梗塞は、後遺症を少しでも軽くするために発症から1分でも早い治療開始が必要です。現在MRIによって脳梗塞発症(片側手足の麻痺、言語障害など)から約5分で診断がつきます。当院では、MRIや脳血管撮影が緊急で施行できる体制をとっており、このような体制をとっていることが急性期脳梗塞の治療には重要です。"軽い脳梗塞 "と思って様子をみていると、頸部頸動脈の高度狭窄や、頭蓋内の主幹動脈が閉塞、狭窄しており、近い将来重大な脳梗塞になる可能性がある場合も多く含まれています。脳MRI,MRA、頸部頸動脈エコーを施行し、どの血管のどのような状態による脳梗塞かを必ず調べる必要があります。当科では、精密検査の結果、手術適応を検討し、頸動脈内膜剥離術 (CEA) バイパス術、を多数行なっています。特にCEAの件数では、年間70件を超え、2007年の読売新聞の調査では全国第一位でした。おそらく2008年(74件)、2009年(74件)、2011年(73件)も日本最多と考えられます。
2:脳腫瘍 (良性、悪性)
 脳腫瘍の手術件数は、年間約50件程度で、手術技量が特に問われる髄膜腫、下垂体腫瘍、聴神経腫瘍をはじめとしたすべての良性脳腫瘍に特に力を入れています。通常のCT、MRIはもちろん、3次元CT、ナビゲーションシステムで手術のシュミレーションを行っています。大脳機能(運動機能、感覚、視覚など)・脳神経機能(視神経、三叉神経、顔面神経、聴神経、嚥下・発声に関係する神経など)温存が必要であれば、手術中電気生理学的モニタリングを併用し、機能温存を目指した摘出術を行っています。場合により、術前に血管内手術の手技を用いて、手術中の出血を最少に抑えることで、安全に治療できるようになってきています。
3:機能外科 三叉神経痛、顔面痙攀
4:頭部外傷
5:中枢神経感染症  脳膿瘍 等
 以上のような疾患を扱っており、症状としては、意識障害、てんかん発作、視力、視野障害、眼球運動障害(物が二重に見える)、内分泌異常、片側聴力障害、四肢運動・知覚障害、歩行障害、言語障害、失見当識障害などのある場合、及び脳ドック等のCT、 MRI、MRA上で異常を指摘された場合が、脳神経外科の対象となる可能性があります。

主な医療設備

高性能手術用顕微鏡 2台、ICGビデオグラフィ、ロードマップ機能付きDSA装置、MRI (3テスラ) ,ヘリカルCT, SPECT、誘発電位記録装置、カラードップラー
手術ナビゲーションシステム

診療・手術実績

年間の入院数は約1100-1200人。
  動脈瘤
クリッピング術
頚部頚動脈内膜
剥離術(CEA)
血管バイパス術 脳腫瘍摘出術 年間手術総数
2005年 116件 49件 36件 85件 557件
2006年 119件 54件 32件 65件 584件
2007年 118件 65件 39件 63件 573件
2008年 125件 74件 42件 67件 587件
2009年 127件 74件 32件 54件 539件
2010年 115件 59件 36件 32件 480件
2011年 160件 73件 40件 48件 593件
* 病院移転での一時的な規模縮小により、2009年、2010年の手術件数は減少しています。

外来担当医師一覧

  3診 4診 5診 6診
午前 太田 再診 交替制 交替制 須永
午後 太田 初診
(脳動脈瘤、頚動脈、血管障害、脳腫瘍、他)
交替制初診 交替制 須永
午前 谷口 森野 石井 永根 (脳腫瘍、一般)
午後 谷口 森野 石井 青木 (一般)
交替制初診
午前 太田 再診 水谷 再診 交替制 交替制
午後 太田 初診
(脳動脈瘤、頚動脈、血管障害、脳腫瘍、一般)
水谷 初診 交替制初診  
午前 谷口 森野 中内 交替制(新患のみ)
午後   森野    
午前 小倉 再診 初診
(脳動脈瘤、頚動脈、血管障害、一般)
    交替制
午後        
※青字については神経病院との兼務

スタッフ紹介

医師名 専門分野等
医長

おおた たかひろ
太田 貴裕
脳血管障害(脳動脈瘤、脳動静脈奇形、バイパス術、もやもや病)、脳腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫など)、頚部頚動脈狭窄疾患、顔面痙攣・三叉神経痛
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会脳卒中専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
医長

おぐら たけし
小倉 丈司
脳血管障害(動脈瘤、血管バイパス術、頚動脈狭窄症)
日本脳神経外科学会専門医
医員

なえむら かずあき
苗村 和明
脳神経外科一般
医員

ひらいわ なおや
平岩 直也
脳神経外科一般
医員

やぶざき はじめ
藪ア 肇
脳神経外科一般
医員

やすだ たかゆき
安田 崇之
脳神経外科一般
医員

くずおか さくら
葛岡 桜
脳神経外科一般
非常勤 みずたに とおる
水谷 徹
昭和大学医学部脳神経外科主任教授 (2012/4〜)
脳神経外科全般、
特に脳血管障害(脳動脈瘤クリッピング術、頚動脈内膜はくり術、解離性脳動脈瘤の治療、血管バイパス術他)
研究分野は脳血管の病理(特に解離性脳動脈瘤)
日本脳神経外科学会専門医
非常勤 ゆやま りゅうじ
湯山 隆次
入間川病院 脳神経外科部長
脳動脈瘤、脳腫瘍の手術、
頚部頚動脈狭窄疾患、神経内視鏡手術
日本脳神経外科学会専門医
非常勤 はら たかゆき
原 貴行
虎の門病院 脳神経外科部長
脳血管障害(動脈瘤、血管バイパス術、モヤモヤ病)、脳腫瘍
頚部頚動脈狭窄疾患 
日本脳神経外科学会専門医
部長
(神経病院)
たにぐち まこと
谷口 真
機能的脳神経外科学(パーキンソン病の外科治療、不随意運動、顔面けいれん、三叉神経痛)
脊椎・脊髄外科、聴神経腫瘍
小児脳神経外科
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会専門医・指導医
部長
(神経病院)
もりの みちはる
森野 道晴
てんかんの外科治療、脳腫瘍の外科治療(特に側頭葉内側部および島
回の腫瘍)、日本脳神経外科学会専門医、日本てんかん学会専門医・指導医
医長
(神経病院)
すなが しげき
須永 茂樹
てんかんの外科的治療・薬物療法
日本てんかん学会専門医
日本脳神経外科学会専門医
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