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東京都立多摩総合医療センター

〒183-8524 東京都府中市武蔵台2-8-29

リウマチ膠原病科

小児リウマチ膠原病外来開設のご案内(東京都立小児総合医療センター腎臓内科

はじめに

このたび東京都立小児総合医療センター腎臓内科では新たに「小児リウマチ膠原病外来」を開設しました。多摩地域をはじめとした周辺地域の小児リウマチ患者さんの診療のお役に立ちたいと考えております。

  • 慢性的に関節が腫れている、関節を痛がる、筋肉を痛がり力が入らない
  • 繰り返す原因不明の発熱や発疹

などの症状がある場合はお気軽にご相談下さい。

概要

こどものリウマチは、以前は若年性関節リウマチ(JRA)と呼ばれていましたが、現在は若年性特発性関節炎(JIA)と呼ばれています。これは大人のリウマチとは異なり、リウマチ因子が陰性のことが多いためこの疾患名となりました。またJIAは関節リウマチだけでなく、こどもの様々なタイプの慢性関節炎を含んでいます。JIAは大人のリウマチと同じように関節が腫れ、しばしば痛みを伴い、適切な治療を受けなければ永続的な関節変形を来す場合があります。しかし大人とは発症年齢のパターンや合併症が異なったり、大人では使える薬が使えなかったり、治療薬の量の調整が必要な場合があります。その他、小児リウマチ科医が診る主な疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)、若年性皮膚筋炎(JDM)、強皮症、ベーチェット病、シェーグレン症候群、血管炎症候群といった自己免疫性疾患から、周期性発熱を来す自己炎症性疾患など多岐にわたります。多くの慢性炎症性疾患と同様に、それらの原因については明確には分かっていません。

以前はJIAの治療にはステロイド、アスピリン、金製剤しかありませんでした。しかし、ステロイドは成長期のこどもに対して副作用が大きな問題となっていました。近年免疫学の研究の発展とともに、この領域の治療は目覚ましい進歩を見せています。関節炎にはメソトレキセートが使われるようになり、難治例にはサイトカインや免疫細胞をターゲットとした生物学的製剤が効果を示し、ステロイドの使用を最小限にする治療ができるようになってきています。また他の膠原病に対する治療も進歩し、予後も明らかに良くなってきています。例えば1980年代はじめ、本邦の小児SLEの5年生存率は55.7%であったものが、1995~2006年の調査では10年生存率が98.7%と大幅に改善しています。こども10万人あたりの年間の発症率は、JIAは1.6-23人、小児SLEは0.36-2.5人、JDMは0.19-0.32人と言われています。多摩医療圏50万人のこどもたち、周辺地域のリウマチ膠原病患者さんを診ていきたいと思っております。

特色

このたびアメリカでトレーニングを積んできた新たな仲間を加え,診療体制を充実させました。SLEではループス腎炎が患者の予後を決定する重要な合併症となります。小児のリウマチ膠原病診療は小児総合医療センター腎臓内科で行っていますので、患者さんが腎疾患を合併する場合は科内での情報共有や治療方針決定が容易に行えます。腎生検をはじめ、血漿交換や緊急透析が必要な場合も迅速に行えるという特徴もあります。腎臓専門医からアプローチした腎保護を意識した治療、高血圧の管理を目指していきます。

また隣接している多摩総合医療センターリウマチ膠原病科とも連携を積極的に取っております。この体制により移行医療もスムーズに行え、高いレベルの標準的な医療・最新のリウマチ膠原病診療を継続して受けることが可能となっています。地域に密着した高水準の医療を提供することが私たちの使命と考えています。

診療体制

現在は第2・第5水曜日に新患・再診外来を設けています。外来への予定的なご紹介は医療連携室を通してお受けしております。緊急受診が必要な場合やご家族の予定が合わない場合は赤峰・濱田までお電話にてご相談下さい。経過が長い場合には、受診前に紹介状・検査や画像データを赤峰宛にお送り頂けますと、あらかじめ外来までに準備ができ、診療を円滑に行うことができます。受診当日にもコピーをいただけると助かります。

診療分野
  • 若年性特発性関節炎(JIA)
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 若年性皮膚筋炎(JDM)
  • 強皮症/en coup de Sabre/Parry-Romberg症候群/好酸球性筋膜炎
  • 混合性結合組織病(MCTD)
  • ベーチェット病
  • シェーグレン症候群
  • 血管炎症候群:ANCA関連血管炎、高安動脈炎、結節性多発動脈炎など
  • 慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)
  • サルコイドーシス
  • オーバーラップ症候群
  • 原因不明の発熱

など

 

 

 

診療内容・特色

当科の使命~多摩地域の全てのリウマチ膠原病患者が多摩地域で継続して標準的な診療が受けられるように

当科は日本でも最も歴史の古いリウマチ膠原病科の一つです。平成2年7月のリウマチ膠原病科開設(旧都立府中病院)以来、当科ではリウマチ内科とリウマチ外科の連携を全国でも先駆けて行っています。多摩地域は約400万人の医療圏でリウマチ膠原病患者は数万人いることが想定されていますが、重症病態まで診ることができる施設は非常に限られています。現在、当科には約3000人超の患者が通院しており、多摩地域のリウマチ膠原病診療の中核の一つとなっています。さらに東京都全体の難病医療の充実にも貢献したいと考えています。

私たちは、多摩地域の全てのリウマチ膠原病患者が多摩地域で継続して標準的な診療が受けられるようにすることを第一の使命と考えています。そのため地域の病院およびクリニックと緊密に連絡しながら、急性期や合併症の診療は当院で行い、慢性期や安定期の診療はお近くのリウマチ専門医のいるクリニックで診療を行う体制をとっています。また当科の医師は東京都保健医療公社である多摩北部医療センターリウマチ膠原病科多摩南部地域病院内科(リウマチ膠原病科)でも診療を行っており、また当院を含めた3病院で定期的なWEBカンファレンスを行っています。この体制により、これまで都内の大学病院への通院を余儀なくされていた患者さんも多摩地域で継続して高いレベルの標準的な診療が受けることが可能となりました。また当院に隣接する都立小児総合医療センターに小児リウマチ膠原病外来が開設されました。当科では小児総合医療センターとの連携にとどまらず、他院からの受け入れもふくめ成人への移行医療を積極的に行っています。

多摩総合医療センターと多摩北部医療センター、多摩南部地域病院、小児総合医療センターのリウマチ連携

入院治療においてリウマチ内科ではチーム制をとっており、主治医だけでなくチーム全員でベストの治療方針を毎日検討しながら診療を行っています。またリウマチ外科で入院してもリウマチ内科が併診して合併症の管理などを行っています。

当科の特徴

関節リウマチの診療

関節リウマチでは主に滑膜の炎症により関節軟骨やその近傍の骨が障害されます。その結果、痛みや腫れが出るだけでなく、放置していると関節が破壊され、関節機能が障害されます。幸いなことに、最近の生物学的製剤をはじめとする治療薬および治療戦略の進歩により、関節の機能の障害や破壊をかなり抑えることができるようになりましたので、関節リウマチの患者の生活の質(QoL)は著しく改善しました
当科は内科系医師と整形外科系医師が一緒に従事している専門科で、このような形態をとる専門科は全国的にも珍しく、そのメリットを最大限生かして診療しています。内科的治療および外科的治療に加えて、地域のかかりつけ医や専門医、近隣の病院やリハビリ専門病院と連携することにより包括的な診療を行っているのが特徴です。

リウマチ内科と外科の合同カンファレンス
リウマチ内科と外科の合同カンファレンス

関節リウマチの治療では、疾患活動性(病勢)を算出し、積極的に抗リウマチ薬を使用しながらその値を目標の値(寛解)にまで治療する戦略が個々の治療薬の選択よりも重要です。また患者自身がこの治療戦略を理解し、治療方針の決定を医師とともに決めることがガイドラインでも強調されています。 当科では、タッチパネル問診を用いたリウマチ診療支援システムの導入により、毎回、患者さんの疾患活動性(RAPID3)を診察前に算出し、個々の患者さんの治療方針を決定に活用しています。たとえば、ずっとその値が3以下でしたら寛解を維持できていることが示唆され、急に高くなった場合は、悪化(再燃)が示唆され、治療の強化が必要である可能性があります。このように患者さん自身が疾患活動性を把握することは治療方針の決定に役に立ちます。 (読売新聞)

  • タッチパネル問診
    タッチパネル問診
  • 疾患活動性の評価
    疾患活動性の評価

関節リウマチの状態は血液検査やレントゲンでは十分にはわからないことも少なくありません。関節超音波で症状や所見のある部位を詳しく調べ、治療に役立てることも行っています。

関節超音波
関節超音波

 

また当院には複数の日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師がいます。リウマチ膠原病に関する患者指導や生物学的製剤などの自己注射指導、自助具の紹介、リウマチ膠原病外来だよりの発行なども行っています。

  • 自助具
    自助具
  • リウマチ膠原病外来だより
    リウマチ膠原病外来だより

リウマチ外科では、外来での薬物療法に加えて、関節破壊が進行し生活の質(QoL)が落ちてしまった患者さんには手術療法を行っています。
手術療法には、大きく分けて人工関節置換術と関節形成術の2つがあります。肩関節・肘関節・股関節・膝関節といった、中・大関節がいたんでしまった場合、人工関節置換術が検討されます。当院では、感染予防のため、最高ランクのクリーンルームにて人工関節置換術を行っています。また、人工膝関節置換術では、手術中ナビゲーションシステムを使用したり、術前CTからご本人専用の手術器具を作製したりするなど、技術の進歩もみられ、当科でもすでに導入しています。
手や足のゆびの変形に対しては、関節形成術を行っています。手指の変形は、外見上の問題だけでなく機能障害にもつながります。母指やその他の指の関節変形を矯正することによって、使いやすくなります。また、足は外反母趾や足の裏の「ウオノメ」などから、歩行障害がおこることがあります。これも関節の脱臼が原因ですので、これを矯正することにより、足ゆびがまっすぐになり、当たって痛いということがなくなります。
リウマチ患者さんは、骨や皮膚などの組織が弱いことが多く、間質性肺炎や糖尿病などの合併症がある場合もあります。また、免疫機能を抑制する薬も多く、感染やキズの治りが心配です。それらのことに細心の注意をはらいながら、日々手術を行っています。さらに、リウマチ外科で入院中にもリウマチ内科のサポートがあり、より安心して手術に臨めるという点も当科の特徴です。

リウマチ外科では院内のリウマチ内科や主に近隣のクリニックからの紹介を受け手術や装具療法の相談、治療を行っています。

関節リウマチに対する手術はすでに変形してしまった関節の矯正や機能の再建を行うことで疼痛緩和、ADLの改善を目的として行います。主に肩、肘、股、膝の人工関節置換術、足趾変形に対する関節形成術を行っています。
関節リウマチおよび膠原病の患者さんに関して入院中は必ずリウマチ内科医が一人以上副担当医となり、内科的な管理をさせて頂いておりますので患者さんには安心して入院して頂けると考えております。
またリハビリテーションが長く必要だと予想される患者さんには相談の上、連携しているリハビリテーション病院に術後数週で転院して頂くこともあります。


写真:術前と術後のレントゲン
リウマチによる足趾変形
関節温存による変形矯正 手術後(一時的に鋼線をいれます)


写真:術前と術後のレントゲン
リウマチによる肘関節の変形
関節の隙間がなくなっています。人工肘関節置換術手術後


写真:術前と術後のレントゲン
リウマチによる肩関節の変形
関節の隙間がなくなっています。人工肩関節置換術手術後

関節リウマチの患者さんでは、著しい滑膜炎のため肩を前や横に上げる筋肉(腱板)が薄くなり機能していない場合や、最終的に切れてしまってうまく肩が挙がらない患者さんが思いの外たくさんいらっしゃいます。関節リウマチ患者さんにおいて、肩を動かす筋肉(腱板)が切れた場合にその再建術を行っても、滑膜炎のためもう一度断裂する可能性が高いことがわかっています。このように腱板が切れてしまい、軟骨もなくなってしまった肩の場合、三角筋の力を使って腕を上げることができる新しい人工肩関節、リバース型人工肩関節を当院では行っています。リバース型人工肩関節を行うことによって痛みが改善し、腕を前や横に上げることが容易になります。当院では関節リウマチよって破壊され、腱板も切れてしまった肩関節にこのリバース型人工肩関節を行い、良好な短期成績を国内で先駆けて発表しています。

写真:術前
術前
写真:術後
術後
膠原病の診療

膠原病には、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、血管炎症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎をはじめ多くの疾患が含まれます。関節リウマチだけでなく、膠原病も治療が進歩し、学業・就労・結婚・妊娠出産・旅行など、生活の質(QoL)は著しく改善しています。膠原病では、複数の臓器に障害をきたすことがありますが、呼吸器内科、腎臓内科、消化器内科、皮膚科、脳神経内科など複数の専門診療科と協力しながら診療を行っています。

全身性エリテマトーデス専門外来

全身性エリテマトーデス(SLE)は皮膚症状、関節症状、全身倦怠感などの症状の他、腎炎など全身の合併症をきたしうる疾患です。近年になり治療薬も増え、QoLも改善が期待されますが、日本では漫然とステロイドが投与されていることが少なくありません。そこで当科では全国に先駆けて2016年4月にSLE専門外来を開設しました。当院には2009年より、SLEの標準的治療薬であるヒドロキシクロロキンの国内での開発および適正使用に関して全国的に啓発活動を行っています。SLEの治験やヒドロキシクロロキンを用いた医師主導臨床試験なども行っています。

レイノー外来

全身性強皮症は全身の皮膚が硬くなることが特徴で、早期に発見し治療介入を行うことがQoLの改善に大切です。寒冷刺激で手指の色が白くなるレイノー現象は初期の全身性強皮症のサインとして重要です。しかしこの現象は健康な人でも約5~10%に認められ、病気との区別が大切です。当科では2016年4月にレイノー外来を開設しました。爪の生え際の毛細血管をみる特殊な顕微鏡(ビデオキャピラロスコピー)を日本では先駆けて導入し、全身性強皮症の早期発見を目指します。

  • レイノー外来
    ビデオキャピラロスコピー
結晶性関節炎の診療

その他のリウマチ性疾患として、たとえば痛風や偽痛風などの結晶性関節炎が日常診療で見落とされることも少なくありませんが、当科ではリウマチ医が偏光顕微鏡を用いて迅速に診断および治療を行っています。(詳細)

  • 偏光顕微鏡
    偏光顕微鏡
小児リウマチ膠原病外来(都立小児総合医療センター)

隣接する都立小児総合医療センター腎臓内科に「小児リウマチ膠原病外来」が開設されました。主な対象疾患は、特発性若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性皮膚筋炎、全身性強皮症、ベーチェット病、シェーグレン症候群、血管炎症候群、周期性発熱症候群などです。本外来では、米国で臨床経験のある小児リウマチ膠原病医が標準的医療をアップデートしながら行っています。また成人への移行医療もシームレスに可能です。

将来のリウマチ膠原病診療の発展のために

当院はリウマチ専門医研修指定施設であり、次世代のリウマチ膠原病専門医を育てる使命があります。また当科は多摩地域の基幹病院として、厚生労働省研究班にも参加しているほか、臨床研究や治験 、雑誌や書籍の執筆、海外との交流、他院からの研修受け入れ(短期・長期)なども積極的に行っています。

受診の仕方について

少しでも混雑の緩和のため受診はすべて予約制です。また新患の場合はより精度の高い円滑な診療をするために診療情報提供書の持参をお願いしています。 病院の「予約センター」にお電話をして予約をとってください。受診までの待ち日数の不均衡を減らし、どの患者さんもできるだけ早く診察ができるようにするため医師の指名は受けておりませんのでご了承ください。

また、診療の円滑化のため、特に初診患者さんにつきましては紹介元医療機関にあらかじめ診療情報提供書のファックスをお願いしております(ファクスが難しい場合はリウマチ外来宛て郵送でも構いません)。

なお急を要する場合、できるだけ正確な情報をいただくために、ご紹介の医師から直接当科までご連絡くださいますようお願い申し上げます。

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紹介予約制 を原則としています。

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